代表取締役社長今牧 亮輔
企業とは、一隻の船のようなものであると私たちは常々そう考えています。
帆を操る技術に長けた人や、風を読むのが得意な人。
さまざまな能力を持った人材が担当する役割をまっとうし、
一つの目的の下に結束することで、大海原を渡っていける大きな力が生まれます。
サンコールは決して規模の大きな会社ではありませんが、
だからこそ、小さなメーカーとしての強みを最大限に活かし、状況に応じて素早く舵をきることで、
市場の変化に適応することができると考えています。
1955年の創業以来、私たちが一貫して大切にしてきたのは、
近江商人の心得として知られる“三方よし”という考え方です。
サンコールの元の社名は三幸化学といいますが、この名前にはお客様、世間様、
そして当社の幸せに対する願いが込められています。
長く存続する企業には、必ず社会に求められる理由がある。
その意識を持ちながら、美を通して社会に貢献することをめざしてきました。
私たちにできる社会貢献とは、「美しくありたい」というお客様の願いに応え続けることです。
ただしそのためには、瞬間的な美しさだけではなく、
美しさを長く継続させるためのものづくりを行う必要があります。
髪へのダメージを最小限に抑えることを基本としながら、
どうしても避けられないダメージに対しては適切なケアを行う。
「ダメージレス&ダメージケア」というコンセプトを中心に据えて、商品開発を行っています。
最良の結果のために大切なことは、手間を惜しまないという姿勢です。
弊社では、研究開発や企画、製造、営業、物流などの
ほとんど業務を一貫して自社スタッフの手で行っております。
一見非効率で無駄に思えることも、
効率のみを追求するのではなく細部にまでこだわって商品や販促物を作り、
自分たちの言葉でお客様に丁寧に説明する。
そのプロセス一つひとつに責任を持つことで、商品力や提案力を深めることができると考えます。
流行が急速に移り変わる中、私たちメーカーに対するニーズも日々変化しています。
その中で大切なことは、ただ伝統を守ることではなく、
常に新しい試みを続けながら伝統を発展させることです。
長くご支持いただいているロングセラー商品であってもその評価に安住するのではなく、
時流に合わせて進化させていかなくてはなりません。
当社は「百年企業」という大きな目標を掲げています。
しかし本当に大切なのは百年という数字の実現ではなく、
「そのためにどうあるべきか」を模索し続けることです。
お客様に対する誠実さを忘れず、従業員が働きやすい環境を守りながら、
真に社会に求められる企業をめざして挑戦を続けていきます。